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Top > スタッフコラム > 2022/08/19 「Wi-Fi(無線LAN)」の通信規格による通信速度の違いや特徴などについて
「Wi-Fi(無線LAN)」の通信規格による通信速度の違いや特徴などについて
無線LAN Wi-Fi イメージ
私は仕事関係だけでなく個人的な相談で、職場であったり家の「Wi-Fi」が遅いのだけど何が原因? というような話をよくされます。また同じような話で、会社でスマホをWi-Fi接続するとストレスなく通信できるのに、家のWi-FiだとYouTubeなどの動画の再生が途切れ途切れになったりするのはなぜ? といった話も聞きます。
もちろんその理由は様々なので一概にコレ! という訳にはいかず色々とヒアリングしていきます。すると意外に多いのが古い型の無線LANルーターを使っていて、利用する端末側のスペックをまったく活かせていないということがかなりの確率であります。それはつまり最新の通信規格に対応していない(出来ない)訳で、通信速度が遅い理由は明らかなのですが意外とそういったことに頓着しない人がいることも事実です。
そこで今回は「Wi-Fi(無線LAN)」の規格による通信速度の違いを簡単にご紹介してみたいと思いました。
■参考情報
●ウィキペディア(Wikipedia):IEEE 802.11
https://ja.wikipedia.org/wiki/IEEE_802.11
無線LANルーター側と子機側が同じ規格に対応していないと…。
無線LANルーター イメージ
まあ確かに古いルーターだけど壊れていないからそのまま使い続けるのはエコですし、勿体ないという気持ちはわかります。ですが3年から5年程度で通信速度の速い新しい通信規格が採用され、その規格に対応した製品も次々と発売されていくのも事実です。そしてもちろん、ルーターだけでなく通信を受取る子機側にも同様のことが言えます。
因みに書き方というか説明が面倒なことになるので、本記事では無線LAN規格のひとつである「Wi-Fi」と「無線LAN」を一括りに同じものとして扱います。実際には誤った使い方で、正確には無線LANは無線で構築したLANのことを指し、Wi-Fiは無線通信規格のうちのひとつの品質を保証する認証のことであるに過ぎません。しかし一般的にはほぼ同一のものとして認識されていると思いますので、理解しやすいようにそのような形で書き進めていきます。
一応念のため簡単に補足しておきますと、「Wi-Fi」とは『Wireless Fidelity(ワイヤレス機器の相互接続性を保証する)』の略語になります。無線LANには「IEEE 802.11〇〇(※読み方はアイトリプルイー / 〇にはそれぞれアルファベットが入ります)」という国際標準の規格があり、種類としては主に以下の6つがあります。
【通信規格の種類】
規格名最大通信速度(理論値)周波数帯
●IEEE802.11b11Mbps2.4GHz帯
●IEEE802.11a54Mbps2.4GHz帯
●IEEE802.11g54Mbps5GHz帯
●IEEE802.11n(※Wi-Fi 4)600Mbps2.4GHz帯 / 5GHz帯
●IEEE802.11ac(※Wi-Fi 5)6.9Gbps5GHz帯
●IEEE802.11ax(※Wi-Fi 6)9.6Gbps2.4GHz帯 / 5GHz帯
Wi-Fi使用通信端末 イメージ
この記事を書いている2022年8月現在では「IEEE802.11ax(※Wi-Fi 6)」が最新の規格となります。全製品を調べた訳ではありませんが、少なくとも5~6年以内に発売されている無線LANルーターであれば、おそらくは「IEEE802.11ac(※Wi-Fi 5)」には対応しているはずです。もちろん子機側のパソコンやスマホも同じ規格に対応していることは必須ですが、このレベルの通信速度であれば動画視聴などもストレスなくおこなえるでしょう。それぞれお使いのの製品本体や箱、説明書などで確認してみることをお薦めします。
また、WindowsパソコンやMacから現在利用している通信規格を知る方法もありますので、下記手順を試してみてください。
【 Windowsでの確認方法 】
  1. 画面右下にあるタスクバー内の「WiFiアイコン」をクリックします。
  2. 一覧の中から接続中のWiFiの「プロパティ」をクリックします。
  3. SSIDの中にある「プロトコル」の項目に接続中のWiFiの通信規格が表示されています。
【 Macでの確認方法 】
  1. 「optionキー」を押しながら、メニューバー右上の「WiFiアイコン」をクリックします。
  2. 接続中のWiFiの情報が表示されるので「PHYモード」の項目から通信規格を確認可能です。
上記の方法で調べた結果、ルーター側が「IEEE802.11ax(※Wi-Fi 6)」に対応しているのに、パソコン側の接続が「IEEE802.11ac(※Wi-Fi 5)」となっている場合は、パソコン側が最新規格(※Wi-Fi 6)に対応していないことが考えられます。
因みに私は正にこの例の通りです。現在使用しているノートPCを購入したのが2019年の10月頃で、時期的にはギリギリ「IEEE802.11ax(※Wi-Fi 6)」に対応していてもおかしくないのですが、少々購入金額をケチってしまったためにワイヤレスネットワークアダプターが旧世代のものを買いました(※購入を完了した後に気付いたというのが真実…)。
尚、通信速度というよりも通信の品質(繋がりやすさ)に関係する周波数帯についても簡単にご説明しておきます。ただ、他の記事過去記事でも多少触れていることなので、ここでは簡単にまとめるだけにとどめます。
【WiFiの周波数帯の種類】
ネットワーク使用中のノートPC イメージ
WiFiの周波数帯は主に「2.4GHz」と「5GHz」の2つです。実は「IEEE802.11ax(※Wi-Fi 6E)」は6Ghz帯も利用できる規格なのですが、日本では個人による6GHz帯の利用が認められていないので使えません。総務省の「デジタル変革時代の電波政策懇談会 報告書(案) 」で、2025年までに「IoT・無線LANシステム」へ1GHz幅を新規に割り当てるとされているので「Wi-Fi 6E(※Wi-Fi 6 の拡張版)」か次の「Wi-Fi 7(※2024年初頭を目処に確定版の仕様をリリースする計画)」で利用できるようになるかもしれません。
<2022年9月5日追加更新>
2022年9月2日に「電波法施行規則」「無線設備規則」「特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則」を一部改正する総務省令が公布され、技術的条件を満たすことを条件に日本国内で6GHz帯を利用する無線LAN機器の利用が“合法化”されました。
今後、6GHz帯を利用できる無線LANルーターやデバイスが順次登場するはずです。また、現在発売されている機器の中にも既に“Wi-Fi 6E”に対応しているものもあるようなので、ソフトウェア更新やファームウェア更新をおこなえば利用できる可能性もあります。
●「2.4GHz帯」の特徴
電波が比較的遠方まで届きやすく、障害物にも強いという特徴があります。ただし電子レンジや家電製品、Bluetoothなどでも使用されている周波数帯のため、電波干渉を起こして通信速度が低下しやすいというデメリットもあります。
●「5GHz帯」の特徴
5GHz帯は基本的にWiFiのみで使われる周波数帯です。そのため電波干渉を受けずらく安定して通信ができます。高周波数帯を使用するため、通信速度が出やすいというのもメリットです。ただし、2.4GHz帯に比べると電波の直進性が強いので障害物に弱く、電波の届く距離も相対的に短くなるため、通信環境によっては接続が安定しづらくなる可能性があります。
無線LANルーターによっては端末側との電波強度を判断して自動的に2.4GHzと5GHzを切り替えてくれる機能(バンドステアリング)や、2.4GHzと5GHzの同時通信をサポートする機種もあるので、購入の際には事前に調査するか販売店の店員さんに相談するのが良いと思います。
以上のように、自分の周りの通信環境(速度)はちょっとした知識で改善される可能性が高く、仕事やプライベートの充実度も劇的に良くなるかもしれません。 参考までに、USENが提供しているインターネット回線スピードテストのリンクを貼っておきます。自身の使用する回線速度をシチュエーションごとにざっくりと診断できるので、自分の回線が実際の利用に即しているのか調べてみてはいかがでしょうか?
■USENインターネット回線スピードテスト
https://speedtest.gate02.ne.jp/
2022/08/19 [ 文:スタッフ S ]
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